フルートの取扱説明書

フルートを手にしたけど組み立て方はどうすればいい? お手入れは?

(2)練習後のお手入れ

管内の水分を拭き取ります

付属の掃除棒に薄手のガーゼなどを通し、通したガーゼで棒の先を覆うように隠します。棒で管体内を傷つけるのを避けるためです。

準備ができたら、管体内を通しましょう。足部管→胴部管→頭部管の順でぬぐうと合理的かもしれません。頭部管を先にぬぐうとガーゼが濡れてしまうので、その場合は濡れていないところと付け替えて次の管へ行くときれいにぬぐえます。

フルートの表面を拭きます

指紋を拭う程度なので、力は要りません。

キー:ゴシゴシとやらずに、連結パイプ側から外側へ、直角に軽く拭き取ります。往復させず、同じ方向から一方通行でするのがコツ。

管体:キーやメカニズムの部分に布をひっかけないように気をつけます。 銀製、または銀メッキの場合は練習後、必ず拭き取るくらいの覚悟を! 銀は酸化しやすいので、放置し続けると汗などで黒くなったりします。(銀製の指輪・ネックレスなど、アクセサリと同じです)

特別な手入れ(ポリッシュなどの使い方)は?

シルバーポリッシュ:  普段の掃除には必要ありません。どうしても汚れがひどい時、ひどい所に使いましょう。ポリッシュは研磨剤に近いもので、拭く=削り取る、だと思ったほうがいいかもしれません。

キーオイル:  頻繁にさすのは遠慮したいところ。最近の楽器はよく出来ているので、ちょっとやそっとで動きが悪くなったりしません。動きが悪いときはさしたほうがいいですが、量が多すぎることがよくあります。その場合、ほこりが詰まって逆にもっと動きが悪くなる危険もあります。 特にブラスバンドでは野外で演奏する機会も少なくありませんので、砂ぼこりなどが分解掃除の際にたくさん出てきて、きれいにするとそれだけでキーが軽くなった、吹きやすくなった、ということもあってびっくりします。そう悪い状態でなく、自分でさすのが不安なら、キーオイルもリペア屋さんにお任せするのも手。

タンポの水分を取る紙(クリーニングペーパーなど):  不便もないのに使わない。キーを押したときに「ねちゃねちゃ」音がする時はさすがに使いたいですが……。 最悪なのが、紙をはさんでタンポを押したまま、紙を引き抜くこと! タンポがすり減ります。

パウダーをはたく紙(パウダーペーパーなど):  べたべた防止のために使うケースもあるかと思います。タンポはデリケートなので慎重に!

ペーパー使用を減らすには→フルートを持つときはキーを上に。フルートを置くときも、キーを上にすることです。 水分はキーのないところを這わせましょう。 こうすれば滅多なことでは要らないはず。

他に気を付けることは?

ケースの中にほこりがたまっていませんか?   →キーのネジ部分に付着するので、時々掃除機で吸いましょう。

ケースにフルートを入れ、ふたをして傾けた時、フルートががたがたと音をたてませんか?   →毛羽立ちの少ない布切れ、ティッシュなどを詰め物にして、フルートが揺れないようにしましょう。※ キーの部分には触れさせない様に詰めます。  あまり状態の悪いケースは思い切って買い換えることも検討しましょう。ケースはフルートを片付けるだけでなく、保護をするといった役目もあります。

コラム;フルートの置き場

よく椅子の上に置いているのを見かけますが、誰かが引っ掛けて落とさないとも限らないので、避けたいところです。床の上などもってのほか!  スペースの都合で机を用意してもらえない時、仕方なく椅子の上に置く時は、まわりを観察してから置くか、隣近所に一声掛けてから。でなければ持ち歩いた方がまだ絶対マシ。  大きな楽器でもへこみのせいで音がでにくくなったりします。小さなフルートはキーメカニズムが細かいので致命傷になることも……
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